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 サービス中のケガ(ご利用者)

  • 2016年2月Cのひやりはっと事故事例報告です。
    今回の事例は、サービス中のケガについての事故事例です。

    [状況要旨]
    A様のサービス中、Bヘルパーより事業所に連絡が入る。
    食堂誘導時、ベッドから車いすに全介助で移乗する際に、車いすのフットレストを跳ね上げずに移乗をしてしまい、A様の脛がフットレストに擦れ直径2p程の皮膚剥離が出来、出血もしている。との報告あり。
    出血は収まってきたため、応急処置としてガーゼで保護する。事業所よりご家族に状況報告と謝罪をする。

    ご家族帰宅後改めて処置し様子観察して頂いたところ、出血も止まり痛みも落ち着いたため、通院せず自宅療養と経過観察をすることになった。

    <原因分析>
    ・車いす移乗の際にフットレストを跳ね上げてから介助をしなかった。
    ・A様はもともと皮膚の弱い方のため、少し強く擦るだけでも皮膚剥離が出来てしまうことをBヘルパーは把握しておらず、A様の身体状況に応じた介助を実施していなかった。
    ・ケガのリスクを考慮した介助方法について、事業所よりBヘルパーに留意点を併せた指示をしていなかった。

    [今後の是正について]
    〈分析結果〉
    ・車いす移乗の際はフットレストを跳ね上げる等、出来る限り介助する際の障害物を取り除き安全に移乗できる状況を整えてから介助に移る。
    ・皮膚の弱い方は特に擦らない・ぶつけないよう安全に介助をする。
    ・事業所は事前のアセスメントで把握している内容について、そのリスクを考慮した介助方法を、手順書の留意点にも記載すると共に、同行時は現場で訪問介護員に引き継ぎを行う。
    ・もばイルカの要対応・申し送りを活用し、気づいた事・ひやりはっとについて訪問介護員間や事業所と情報共有を行い、早期に改善策を実施する事で、大事故を未然に防ぐことができる。

    もともと皮膚の弱い方は、ちょっとしたことで皮膚剥離・内出血を起こす可能性があります。
    介助の際は常に「もしかしたらケガをするかも・事故に繋がるかも」とリスクを予測し、そうならないよう手順や内容の見直しを事前に行う必要があります。
    気になる事・不安な事があったら、気づいた時点で事業所に報告・提案をお願いします。

    常に現場でサービス提供していただいている訪問介護員の皆さまからの重要なご意見・ご提案が、ご利用者の安心・安全な在宅生活の継続に繋がっていきます。