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 賞味期限切れの食品を捨て家族からクレーム

  • 2016年5月@のひやりはっと事故事例報告
    今回の事例は、訪問介護生活援助サービス中に発生したひやりはっと事例です。

    [状況要旨]
    認知症のご利用者様で、息子様と2人暮らし。
    生活援助のサービスを利用されており、Aヘルパーは長年そのご利用者様に携わっている。
    冷蔵庫を確認した所、賞味期限切れの冷凍食品を何点か見つけた。
    ご利用者様に伺うと処分しても構わないとの事だったのでごみ箱に捨てる。
    次の日事業所へ息子様からご連絡があり、「以前にも何度かあったが今日食べようと思った食品を捨てられてしまった。母が判断できないことは分かっているのになぜ処分してしまったのか。長年のお世話になったAヘルパーだったが、信頼できないので定期をはずしてほしい。」とのクレームの電話がありました。

    [原因分析]
    ・事業所に確認せずに自己判断で処分してしまった。
    ・長年ご利用者様と関わり慣れもでてきているため認知症という疾患を忘れがちになっていた。
    ・処分したものを介護記録書やプロレコに記入しておらず、息子様にしか処分した事が分かっていなかった。

    [その後の対応]
    @事業所のスタッフより息子様に謝罪を行い、賞味期限切れの商品があった際にはどのように対処するか改めて息子様と確認をし、サービス内容を見直した。
    その内容をサービスに携わっている全ヘルパーに周知した。
    A長い付き合いだとしてもお仕事をしにきているという認識は忘れずに、ご利用者様の疾患について再認識する。
    Bサービス疑問に思った事は自己判断せずに事業所のスタッフにまず確認をし、指示を仰いでもらう。
    Cサービスに関わるヘルパーに処分したものを必ず介護記録書やプロレコに記入していただき、事業所のスタッフよりもばイルカ伝達事項で全ヘルパーに注意を促す。

    考え方は人それぞれ異なり、賞味期限が切れていてもまだ食べられると思う方もいるかもしれません。
    賞味期限が切れているものでも利用者様の家の財産です。
    長年ご利用者様に携わっているからこそ忘れがちになってしまいます。
    良かれと思って行った事が裏目に出てしまう事もあるため、どうしたらいいのだろう?と思った時には自己判断をするのではなく「この場合どうしたらいいか」という視点を常に大事にして事業所のスタッフに1度確認をして指示を仰いでもらいましょう。長年携わっているご利用者様でも疾患を再確認する事
    も大切です。