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 誤薬(貼付薬)の事例

  • 2016年8月Aのひやりはっと事故事例報告です。
    今回の事例は、情報共有と確認不足による誤薬の事例です。

    [状況要旨]
    ご家族がA様を訪問した際、A様の腹部にニュープロパッチが1枚貼っていたが、その他に肩にも1枚貼ってあった。「ニュープロパッチは強い薬なので、重ねて貼ってはいけないのにどうして2枚貼ってあるのか。」とお怒りの電話が事業所に入った。
    ※ニュープロパッチは通常、パーキンソン病の治療や、特発性レストレスレッグス症候群の治療
    に用いられる。多く貼ってしまった場合は、すぐに薬をはがして医師や薬剤師に相談する必要がある。

    <原因分析>
    ・ニュープロパッチは、朝貼りかえるように手順書に明記してあった。前日にサービスに入ったBヘルパーが、いつものようにご利用者の腹部にパッチを貼ろうとしたところ、腹部が赤くかぶれたようになっており、本人も痒がっていたためご本人に相談して肩に貼ることにした。
    ・Bヘルパーは、貼付薬を腹部から肩に貼りかえたことを記録書に記載していなかった。ご利用者も腹部から肩に貼付薬を貼りかえたことを忘れてしまった。
    ・ニュープロパッチの副作用で貼った場所に痒みが出ることがあり、その際のパッチの貼りかえ等の対応が手順書に記載していなかった。
    ・翌日、サービスに入ったCヘルパーは、腹部にニュープロパッチが貼っていないことを確認していたが、たまにご利用者がはがしてしまうことがあったので、確認せずもう1枚腹部に貼ってしまった。

    [今後の是正について]
    〈分析結果〉
    ・貼付薬使用に際しては、薬の効能・副作用等、リスクも含め、サービス対応する職員、ヘルパー共確認・理解する必要がある。
    ・通常と異なる場所にパッチを貼る場合(ご利用者の肌の状態を含め)、記録書記入やもばイルカのプロセスレコード(区分は要対応)にも入力して情報を共有する。
    ・貼りかえる際は、前日に貼ったパッチを確認し、はがしてから貼りかえることを徹底する。パッチが見当たらない場合は、ご利用者の貼りかえる可能性のある身体の場所に貼っていないかを確認してからパッチを貼る。

    訪問介護員は、ご利用者が安全・安心に生活できるよう支援をしていく必要があります。細心の注意、報告・連絡・相談を心がけ、サービスにあたって頂きますようお願い致します。