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注射針指差し事故事例
2016年9月 ひやりはっと事故事例報告です。
今回の事例は、ヘルパーさんによる使用済み注射針の指差し事故の事例です。
【状況要旨】
利用者宅へのサービス訪問中に、自宅の床やベッド周辺に散乱していたインスリン注射の針を数本発見。
衛生面やサービス中に踏んで怪我の恐れなども考えられる為に回収していた所、誤って左手指に針が刺さってしまった。
すぐに患部を圧迫し血抜きを行い消毒までの応急処置は自身にて行えたが、使用済み針という事や利用者の既往歴の情報も確認できていない為、とても不安の募る大きな事故となった。
【原因分析】
本来、使用後は利用者自身にて医師や看護師の指示や自治体の廃棄方法に従って処分を行うべきではあったが、飲酒による酩酊状態である事や、糖尿病の合併症でもある視力の低下により、適切な廃棄が行えていない事が要因となる。
またヘルパーも使用済という事を考え、いつも以上に細心の注意を払いながら回収する必要もあった。
【結果】
記録上や関係機関への確認により、感染症等による既往症もなく、念のために病院受診した結果も陰性となった。
【今後の是正について】
最近の飲酒による酩酊状態や視力低下を考えると、今後も改善には時間を要し、針の散乱は大いに考えられる。
しかし、同様の事故が起きないように、CMや家族様より危険行為であるとの認識を持って頂けるような説明をしっかりと行って頂く必要がある。
事業所としても、ヘルパーが安全にサービスが行えるように今後も針の回収が必用なので有れば、軍手やゴム手袋などを用意し、手指を防御する方法を考え実行していく必要がある。
今回は、結果として感染症などに罹らずに済みましたが、一歩間違えれば大変な事態に急転していた可能性もございます。
ヘルパーさん自身も、ただの針の回収なので私は大丈夫!という気持ちで臨むのではなく、他の誰かが大きな事故に繋がる恐れがあるという事を認識し、事前に事業所に連絡・相談を行うよう心掛けて頂きます様お願い致します。