詳細
食事介助中の窒息事故
【状況要旨】
ご主人と共にサービス付高齢者向け住宅に入居中のA様。
ご主人はいつも通り食堂で食事を摂取されていたが、A様は体調不良のため居室配膳し、訪問介護員が食事介助をしていた。
厨房で提供した夕食(食事形態:普通食)と共に、ご主人が切って準備しておいた「べったら漬」も介助して食べて頂く。
主5副3召し上がったとこで、よだれが口横から出、少量ダラッとたべた物が出る。意識が無くなる。すぐに横向きにして背部をタッピングするが、変化なく口腔内にも何もない状態。
看護師に緊急連絡し要請。救急隊に連絡すると共に、看護師より心肺蘇生処置を行う。
救急隊到着し、救急車にて搬送される。
【結果】
病院に搬送されるが、意識は回復せずそのままご逝去される。
【原因分析】
・ご主人より「体調が悪いから」と、いつもより薄くべったら漬を切っていた。
・A様は嚥下状態は問題なかったが、咀嚼がうまくできずべったら漬をそのままの状態で飲み込み、喉に貼りついて窒息した可能性がある。
・嚥下状態の観察は行っていたが、口腔内の状態確認や咀嚼状態の観察までは行えていなかったことで、咀嚼出来ていないことに気付けなかった。
【今後の是正について】
・嚥下だけでなく、口腔内の状態や咀嚼状態の観察を継続的に行い、変化があった際はすぐに食事形態の見直しを実施する。
・訪問歯科サービスの位置づけを提案し、専門職による定期的な状態観察と、変化があった際の対応指示がもらえる環境を整備する。
・もばイルカの要対応・申し送りプロレコを活用し日々の小さな状態変化でも報告を行うことで、事業所からケアマネジャー・医療機関への報告や提案が行え、事故を未然に防ぐことが出来る。
訪問介護員の皆さまの日々のご報告が、大きな事故を未然に防ぐことに繋がります。サービス提供責任者と共に、チームケアでお客様の在宅生活を支えていきましょう。