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 経年劣化による物損事故

  • 今回の事例は、経年劣化による物損事故についての事例です。

    [状況要旨]
    ご利用者A様より、事業所に苦情の電話が入る。
    【内容】
    ・先週サービスに入ったBヘルパーが掃除機を使用した際、壊れて動かなくなってしまった。
    ・Bヘルパーが掃除機の蓋を空けたり、フィルターを外したりしたから、壊れた。
    ・ヘルパーがサービス中に使用して壊れたのだから、弁償してほしい。
    との訴えあり。

    Bヘルパーにサービス時の状況をヒアリングする。
    ・いつものように掃除機を使用していたところ、動かなくなった。
    ・掃除機のゴミパックの交換や、フィルターの埃取りをしてみたがダメだった。
    ・サービス開始当初から使用している掃除機で、7〜8年近くは使用している。
    ・A様が「古い掃除機だからしょうがない。事業所には連絡しなくて良い。」と言われたため、報告はしなかった。
    とのこと。

    [結果]
    ・新しい掃除機はA様自身で購入されたが、A様自身「ヘルパーが壊したのに・・・」とご納得いかなかったようで、ヘルパー交代となってしまった。
    ・壊れた掃除機は、経年劣化で動かなくなってしまった可能性が高いため保険会社での保障は難しいが、サービス中にヘルパーが使用していた際に動かなくなってしまった状況もあるため、やさしい手よりA様への慰謝料をお支払することとなった。

    <原因分析>
    ・長年使用している掃除機のため動かなくなる可能性が高かったが、事業所スタッフ・ヘルパー共にそのことを予めA様にお伝えしていなかったため、A様は「ヘルパーが使用して壊した」という認識となってしまった。
    ・Bヘルパーがサービス中に事業所へ掃除機が動かなくなった件を報告しなかったため、A様の連絡で物損事故が発覚した。

    [今後の是正について]
    〈分析結果〉
    ・サービス中に発生したひやりはっと・事故については、どんな些細なことでもすぐに事業所に状況報告をする。(事故発生時は、初期対応を迅速に行うことで大きな事故・クレームを防ぐことに繋がります)
    ・長年使用している物品については、「壊れる可能性が高い」ことを留意し、予めご利用者にもその旨をお伝えしておく。(認識しておいていただく)
    ・ご利用者と共通認識のもと、基本の使用方法・手順で使用する。(いつもと違う方法・手順で使用した際に物品が壊れると、ご利用者は「変な使い方をして壊された」と思ってしまいます)

    長年使用している物品は、基本の使用方法で使用していても動かなくなる・壊れる可能性は高いです。「少し動きが悪くなってきた、もうすぐ壊れそう」等、気づいた時点でご利用者や事業所に報告しておくことで、大きな事故・苦情を防ぐことができます。訪問介護員の皆さま自身や事業所への責任を問われないために、日ごろから密に報告・連絡・相談を行っていきましょう。