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 エアコン確認漏れによるご利用者の体調不良

  • 今回の事例は、エアコン確認漏れによるご利用者体調不良の事例です。

    [状況要旨]
    ご利用者A様(79歳男性・軽度の認知症)の息子様より、事業所に苦情の電話が入る。
    【内容】
    ・仕事から帰ってきたら室内がとても暑く、室温が38度になっていた。
    ・エアコンのリモコンを確認すると暖房28度の設定になっていた。夏なのに暖房をつけて帰るとはどういうことだ。
    との訴えあり。A様も体調不良を訴えられており熱中症の症状で寝込んでしまっているとのこと。

    Bヘルパーにサービス時の状況をヒアリングする。
    ・訪問時、窓が閉まり空気が籠っていたので窓を開け換気した。
    ・サービス終了時点でA様より「暑い」と訴えがあったため、エアコンをつけて退室した。
    ・「夏だし冷房・除湿になっているだろう」と思いリモコンの設定は確認しなかった。
    とのこと。

    [結果]
    ・A様は翌日には体調回復され、現在は落ち着いている。
    ・息子様に謝罪し、今後同様の事故がないよう是正する事でご了承頂く。
    ・ケアマネジャー・介護保険課に事故報告書を提出する。

    [原因分析]
    ・Bヘルパーがエアコンをつけた際にリモコンを確認しなかった。「暖房28度」設定となっている事に気付かなかった。
    ・A様は認知症があるため自分で室温管理をする事は難しいが、リモコンを触り「温度や暖房・冷房設定」を変更してしまう可能性がある事に、ヘルパー・事業所とも気づけていなかった。そのため、手順書に「エアコンをつける際は、温度と冷房・暖房設定を確認する」旨の記載がなかった。
    ・息子様はA様がリモコンを触ってしまうことを把握していたが、事業所・ヘルパーには伝えていなかった。(情報共有不足)
    ・事前のアセスメント時点で、息子様からの情報収集が不足していた。

    [今後の是正について]
    ・エアコンをつける際は必ずリモコンの「温度と暖房・冷房設定」を確認する。手順書の留意点にも記載する。
    ・再発防止のため、他の認知症のご利用者についても、手順書への記載と担当ヘルパーへの情報共有・対応徹底を行う。
    ・息子様と密に情報共有を行い、A様の日頃の変化に相互で気づき合い、今後発生しうるリスクへの対策が早期にとれる状況を作る。
    ・事前のアセスメント時に、ご利用者の日頃の様子を細かくヒアリングし、発生しうるリスクを考慮したサービス手順を組み立てて実施していく。
    今回A様は体調が回復され大事には至りませんでしたが、重度の熱中症となり入院し、更に認知症が悪化・寝たきりとなってしまうような重大な事故に繋がる可能性のある事例です。
    エアコンの設定に関わらず、「きっと○○だろうから」で済まさず、必ず目視で確認する習慣づけを日々行っていきましょう。
    また、日々のご利用者の変化についても、気づいた時点で「もばイルカ要対応」で報告をいただき早期に対処することで、重大な事故を予防することが出来ます。もばイルカでの報告を宜しくお願い致します。